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生まれくる文明と対峙すること:7世紀地中海世界の新たな歴史像 (MINERVA西洋史ライブラリー 114)

, 小林 功

によって 小林 功
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内容紹介 ビザンツ帝国はアラブ国家とどう向き合ったのか 複雑に入り組んだ7世紀の地中海世界の変化を地中海を東西に奔走した皇帝の生涯から解き明かす 7世紀に勃興したイスラーム文明・アラブ国家にビザンツ帝国はいかに対峙したのか。これまで十分に説明されることのなかった中世の地中海世界の新たな歴史像を本書は提示する。7世紀中盤のコンスタンス2世時代を中心に、ビザンツ帝国や地中海世界の変化に対して、政治的・軍事的な状況だけでなく、イスラームをふくむ総合的な観点からの分析を試みる。 [ここがポイント] ◎ 最新の研究成果を踏まえた新たな7世紀の地中海世界像を提示する ◎ 新たな文明の勃興に直面した地中海世界とビザンツ帝国の変化を解き明かす 【目次】 凡例 関係地図 ヘラクレイオス、コンスタンス2世関係系図 付表皇帝・カリフ等の在位年 序章研究史と問題設定 第1章神の怒りを引き起こした皇帝 1 「ヘラクレイオス的」方策からの転換 2 政府内の対立 3 マルティナ、ヘラクレイオスと教会 第2章 641年=「四皇帝の年」の混乱 1 帝位継承をめぐる対立 2 コンスタンティノス3世、マルティナと教会 3 コンスタンス2世の登場 4 エジプトとローマ 第3章維持される強硬路線 1 「無人地域」の形成? 2 アラブとの戦いと小アジア 3 奇妙な均衡 第4章最初のコンスタンティノープル攻撃(654年) 1 放棄される強硬路線 2 654年の攻撃 3 「マストの戦い」をめぐって 第5章コンスタンス2世のシチリア進出 1 西方に向かうまでのコンスタンス2世 2 コンスタンス2世とイタリア、シチリア 3 2つの宮廷──シュラクサとコンスタンティノープル 第6章「神が振り下ろした一撃」 1 アラブ軍の展開と戦略 2 ビザンツ帝国の対応 3 654年の「勝利」の影響 第7章守勢から攻勢へ 1 第2回コンスタンティノープル攻撃──資料の再検討 2 670年代の状況──ビザンツ帝国の反撃 3 ビザンツ艦隊の反撃 第8章コンスタンス2世の暗殺をめぐって 1 コンスタンス2世の暗殺 2 コンスタンティノス4世のシチリア遠征 第9章ローマ帝国の「後継者」になること 1 「サラケノイ」へのまなざし 2 認識の変化 3 神に守られる帝国、神に守られる皇帝 4 ムアーウィヤと「ローマ帝国」 終章 7世紀中盤とはどのような時代だったのか 1 沈みゆくローマ帝国 2 「周縁部」の状況変化 3 「ビザンツ帝国」の誕生 補論1ヘラクレイオス・コンスタンス2世の一族 補論2ゲニコス・コンメルキアリオス 1 ゲニコス・コンメルキアリオスの成立と任務 2 ゲニコス・コンメルキアリオスからバシリカ・コンメルキアへ 補論3オプシキオンの起源をめぐる議論 補論4コンスタンス2世の没年をめぐって 文献目録 あとがき 索引 内容(「BOOK」データベースより) 7世紀に勃興したイスラーム文明・アラブ国家にビザンツ帝国はいかに対峙したのか。これまで十分に説明されることのなかった中世の地中海世界の新たな歴史像を本書は提示する。7世紀中盤のコンスタンス2世時代を中心に、ビザンツ帝国や地中海世界の変化に対して、政治的・軍事的な状況だけでなく、イスラームをふくむ総合的な観点からの分析を試みる。 著者について 《著者紹介》*本情報は刊行時のものです 小林功(こばやしいさお) 1969年生まれ。 1997年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学、京都大学)。 現在立命館大学文学部教授。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 小林/功 1969年生まれ。1997年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学、京都大学)。現在、立命館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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本書はビザンツ皇帝コンスタンス二世(在641-669年)の治世を中心に、630年代後半から675年頃を解析しています。ビザンツの7-8世紀は文献史料が少く、出土遺物/遺跡/古気候学/プロソポグラフィ等を駆使する20世紀末頃以降の研究手法による成果が駆使されています。「史料が少ない暗黒時代」だから当然とはいえ7‐8世紀あたりの初期西欧中世研究に似た印象を受けるところがあります。一般に、歴史学研究では、時代が下ると史料が多すぎて、ほとんど文献史料だけで研究が成り立ってしまい地理学や考古学の出番はあまりなかったりしますし、膨大な史料の取捨選択の課程でより多くのバイアスが出ます。逆に文字史料がなさすぎ(インカとか)だと遺物の残る物質文明史だけしか対象とならず、当時の人が何を考えていたのかがわからず、研究者と読者の解釈(というより想像)だのみとなってしまいます。中世初期は、文字史料が限定されていて、考古学・地理学等諸学がほどよく貢献しているという研究を読める点で(この方法論は実は文字史料が豊富に残る時代にも適用できるものなので)諸学を総合した20世紀後半以降の歴史学方法論の具体的な活用事例を知ることができる、という点でも、ニーズに合った読者にはお奨めなのではないかと思います。西欧史では20世紀前半から古典的文献研究の限界を突破すべく、学際的な多様な手法を駆使した研究が導入されるようになりましたが、ビザンツ研究も20世紀第四半世紀くらいから突入し、学際的史資料を駆使した研究が21世紀に入り出揃ってきて、本書では、2018年に出版された最新研究書もカバーしています。2010年以降は、ある程度出揃った新しい方法を取り入れた研究間での議論深化の段階となっていて、本書での論旨の展開はそれらを受けたものとなっています。また本書は、文献史料の引用翻訳部分が多いのも特徴です。昔の研究書では、本文には結論だけ書いてあって出典は引用註で当該部分の頁番号だけ記載されていたりして、読んでいてストレスのたまるものが多かったのですが、こうした余裕のある書籍が出せるようになったのも、日本におけるビザンツ研究の長い蓄積による成果の上でのことではないかと思います(従来ビザンツ研究ではあまり引用されてこなかったアルメニア語/シリア語/アラビア語史料も多々引用されていて嬉しい)。個人的に最も強い印象を受けたのは、p144に引用されている300年から1350年までの小アジアにおける農生産物変化グラフです。トルコ遊牧民族の小アジア征服により、小アジアの経済や景観がどのように変貌したのか、について、意外に地形的に多様で広い小アジア各所での歴史的変遷を知りたいとかねがね思っていたのですが、このグラフによると、耕作栽培物に大きな変化がみられるのは7世紀と11世紀前半で、トルコ系遊牧民が移住してきた11世紀後半から14世紀は(少なくとも7世紀の変化と比べれば)、それほど大きな変化はない、ということが示されていて、大変興味深い内容となっています(遊牧民が移住してきて小アジア中央部の農耕地帯が牧畜地帯に変化した、とは一概には言えそうにない、という印象を受けます。本書掲載のグラフは、地域的に多様な小アジアを一括してグロスで表示しているため、小アジア各地域ごとのこうした分析研究を更に読んでみたいと思っています)。本書で利用されている古典文献以外の手法は、本書のような極端に史料の少ない時代以外の、11-15世紀の戦乱期や群雄割拠時代の政治軍事的に複雑な時代における、社会経済を全体的に分析するのにも有用なので、そうした方面で適用された研究成果にも今後は期待できそうなこともわかりました(既にあるのかも知れませんが)。総じて、70-80年代中世西欧史で炸裂し、90年代から日本でも大きく広まった社会史/文化史的研究の波が、今ビザンツ研究に訪れてきている、との印象を持ちました。今後も面白い研究に期待できそうで楽しみです。それにしても、コンスタンス二世時代は、帝国の領土がほどんど、マグリブ地方-シチリア島‐イタリア半島先端-バルカン半島東岸-小アジア北岸だけの細長いS字型となってしまい、勃興するイスラーム帝国と西欧の間で薄いカーテンのような立ち位置に立たされ、まさに風前の灯であった様子がよくわかります。このS字型にあって、シチリアに宮廷を設けたのは、コンスタンティノープルから逃亡するとの観点よりも、4世紀の分割統治のようなコンセプトであったとの著者の指摘は説得力がありました。コンスタンス二世、それなりに頑張ったじゃないか、あと30年程長生きしていればもっと評価も高くなったのでないか、と思ってしまいました。

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